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続ずべ公天使 七色の花嫁

Fallen Angel Pt.2

1960(昭和35年)/6/14公開 78分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11751 
配給:東映 製作:東映

前作「ずべ公天使」の好評を更にしのぐ、ずべ公青春篇ともいうべきもので、大阪を舞台に、大富豪の令嬢失踪事件をめぐりギャング団一味と正面衝突。痛快絶妙な戦術の数々を披露する彼女たちの活躍を喜劇的なタッチで描いている。

続ずべ公天使 七色の花嫁
(C)東映

ストーリー

色とりどりのネオンが明滅する都会の夜、その盛り場にたむろする七色グループ。ミッチィことサンデー道子をはじめ、秋子、君子、友子、文子、節子、和子たち。ずべ公稼業も悪くないが、やっぱり人並の暮しがしたい彼女ら一人一人が、堅気になりたい願いで切々なのだ。
道子はヒョンなことから家出娘の好江と知り合った。とりあえず彼女はその娘を満子のバーに住み込ませるが、実は好江は、大阪の大金持・大谷九兵衛の令嬢であるという。およそ人間味のない父を嫌っての家出で、もちろん当の大谷家では上を下への大騒ぎ。秘密探偵社に捜索を依頼し、三千万円の懸賞金を用意するという慌て方である。
これに目を付けたのが三井探偵社の銀子女史、娘を探し出せば一生左ウチワとばかり助手の一郎の尻を叩く。だが元来ウッカリ者の一郎は、どうしたはずみか捜索依頼書の好江の写真をこともあろうに就職依頼書の道子の写真と間違えて貼ってしまった。それからというもの七色グループ団長・道子は、大谷家令嬢として追われるハメと相なった。本物の好江のために、道子は当分彼女の身代りとなる約束をした。都合の良い事に道子も大阪生れで、関西弁はお手のもの。彼女とてがめつい父を嫌って家出して、ずべ公稼業をおくる今の境遇である。
銀子女史ばかりでなく、特ダネを追うトップ屋の野村青年も一郎の話を鵜呑みにして道子を追った。殊に道子が彼に好意を持っているのを幸い、懸賞金とトップ記事のためならばと偽りの愛を囁いて結婚の話まで持ち出し、有頂天の彼女を湖畔へ誘う。だが七色グループが我も我もと押しかけて、とんだピクニックに…。野村に先を越されてはとその場に駈けつけた銀子と一郎。銀子は、令嬢の懸賞金は半々に頂こうと野村へ共同戦線を迫る。そこに計らずも通りかかったチンピラの中西は、事件を嗅ぎつけて直ちに兄貴分の今村へ報告。たちまちち連絡は今村から組長、社長、会長を通じて逐にはやくざの総長・黒岩の耳にまで伝った。シメタとばかりに黒岩は、時を移さず大阪総長の赤沼に協力し、娘をタテに大谷九兵衛氏をユスる計画だ。
事件が黒岩・赤沼に洩れたとは露知らぬ野村は、道子を伴って彼女の父に結婚の許可を得るため大阪へ。がめつい貧乏親父に会うのは嫌だが…という道子。あくまで道子を失踪事件の令嬢だと思い込んでいる野村。更に二人の大阪行きを知った銀子も七色グループを伴って、後を道った。
さて、一方、本物の好江は、ヒョンなことから素性がバレて、たまたま通りかかった一郎共々、黒岩組の虜となり、一味の監視の中、無理矢理新婚夫婦に仕立てられて大阪へ発った。
さて大阪の大谷邸で落ち合った野村・道子・銀子と七色グループのずべ公たち。「娘が帰った」と大喜びの態で現われた九兵衛氏は、道子を見るなり大憤慨。「馬鹿もんっ!」と一喝。折からそこへ赤沼・黒岩組の脅迫状が届いた。今夜十二時、一億円と令嬢の命を交換しようという文面だ。一同右往左往する中、令嬢救出の計画が立てられた。大阪のずべ公の先輩格のお千代姐さんが大阪中のずべ公たちを召集し、七色グループに協力を買って出た。
その夜の十二時。指定場所にギャング一味と対峙する九兵衛氏、その妻を装った銀子女史、秘書になりすました野村、一億円を渡すと見せかけてアッと云う間に、捕虜の一郎と好江令嬢を救い出した。だが彼らの後に潜んでいた面々が手に手に拳銃を光らせている。最初から危い橋を渡るつもりのこの取引。奥の手を出した野村が「五分以内にサツが来る手筈」とホラを吹き、一味の進退を惑わせて時を稼ぐ。一分二分…時が刻まれる中、雪崩れ込んできたのは東西ずべ公たち。激戦数刻、意表をついたずべ公たちの戦術にすっかりなす術忘れて悪あがきをする一味。赤沼がナイフを握って道子に飛びかかるが、野村が体当りで遂に赤沼を取り押えたのがキッカケとなり、ギャング団は一掃された。
かくて再び平和に返った大谷邸。流石頑迷の九兵衛氏も一同の活躍に感激して、今は愛し合う令嬢・好江と一郎を温く迎え、同時にヤモメ暮しの氏は、自らも銀子女史に結婚を申し込むという微笑ましさ。
そして野村、道子、それに七色グループ全員に、九兵衛氏は懸賞金の三千万円を更生資金として押しつけるように手渡すのであった。今はカケ引き無しに結ばれた野村と道子も明るい笑顔を寄せ合うのだった。

続ずべ公天使 七色の花嫁
(C)東映
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